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2011年10月19日 (水)

海洋天堂を、観た

ソレイユで、海洋天堂が上映されて一週間以上たって
今日、ようやく観に行くことができました。
ソレイユは、古き良き時代の名画座。
懐かしいにほひのする、こじんまりとした映画館です。

ソレイユ

Img_4386


海洋天堂は、このブログにもブログパーツを貼り付けているので
それをクリックしてもらうと、公式サイトを見ることができると思いますが、自閉症の息子を遺して逝ってしまう父親の物語です。

Img_4387

アクションスター、ジェット・リーが、アクションを封印して、ノーギャラでもやりたいと、そう思った作品です。
パンフレットの最初のページに、ジェット・リーがこう書いてあります。
「初めて『海洋天堂』の脚本を読んだ時、感動しすぐに出演を決めました。父と息子の絆、そして人と人がつながることの大切さに胸打たれたからです。皆一つの家族なのです。私たちは支えあえればどんな困難な状況も必ず乗り越えられます。この映画が、皆さんに勇気と感動を届けられるように祈っています。」
実際に自閉症の人を家族に持つ人の感想は、おそらくジェット・リーの思いと少し違うことでしょう。
私も、微妙な違いはあります。
でも、大筋では、彼の願い、想いと、シンクロします。
それは、私自身がある程度の年齢になっているからかもしれません。
この映画を観終わったあと、めまいがして立つことができませんでした。
めまいは、しばらく続きました。
映画をみて、席を立てないほどの気持ちだったのは、確か高校生の頃に観た「ジョニーは戦場に行った」以来です。
そして、自閉症関係の映画で、ハンカチを口に当て漏れる嗚咽を消しながら号泣したのは「学校Ⅲ」以来。
「学校Ⅲ」の時は、そのラストを観ながら「私は死ねない。ノブを遺して死んじゃいけない…」と思いましたっけ。
あの頃は、若かった。若い頃の感想でした。
「海洋天堂」を、この年齢で観た。感じ方も、やはり違う。
親なきあと、彼は幸せに暮らせるのだろうか?今と同じ毎日を送ることができるのだろうか?
答えは、どんなことをしたとしても、おそらくNOでしょう。
私たちとの暮らしと同じような幸せな日々は、おそらくないでしょう。

今までの生活が、少しでもいい形で継続できるように…と考えた時、
最終的に大切にしたいのは、彼を取り巻く、彼を支援してくれる、彼を好ましく思う人たちなのだと、つくづく思いました。
具体的な支援の方法は もちろん必要だと思うけれど、そこに心は欲しい。
自閉症への支援の仕方の基本を知らない人でも、知らなくても、自然と彼に沿ってくれている人もいます。
もちろん、支援の方法を知り、自閉症を理解して、そして、ノブを好ましく思ってくれる人が一番なんですが。
私たちは、自閉症ノブの環境づくりを 、けっこう先んじて頑張ってる両親だと自負しています。
具体的、視覚的、肯定的コミュニケーション。自発的な本人の発信。わかりやすい環境づくり。スケジュール、物理的構造化…。
そういうことをやってきて、それが当たり前になった我が家の暮らしの上で、改めて、ノブが将来一人になった時に、一番大切なものは、。。。それは、彼が周りの人にとって愛すべき存在であることだ。
という結論に達しました。
ノブのためなら、しゃあないけどやっちゃおうか?と思ってくれる人や、
あ〜あ、またか。ま、ノブがすることだし、も一回やるか。。とか
支援してくれる人も、関わる人も、人間ですもの。機械でもロボットでもない。
感情というものがある。相性もある。それぞれにプライドも、好みもある。
それを超えて、ノブといるとなんか、いい。って思ってくれる人に恵まれることが、彼の将来にとってとても大切なことだと、年々、強く思うようになってきた。

おそらく、現実に私たちは死に向かっていて、いずれノブを遺していくという思いが、漠然としながらも濃い色で見えてきてるんだと思います。

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海洋天堂。

多くの人に観てもらいたい。
下手に自閉症とは?と多くを語っていない。だから、いい。
そのもどかしくも、ああ、そういうことしたよなぁ。気長に、気長に、気長に、やったよなぁ。
その中にも、自閉症を知る人は思わずクスリとしてしまう小ネタがちりばめられている(笑)

自分の命の期限が切られたことへの悲しみよりも、とにかく、後に遺る子供の行く末だけを考える。
それをかんがえて、慟哭する。悩む、苦しむ。
どれだけのことをしていても、やはり、足りない。
死にたくない、自分のためじゃなく、彼のために。

大好きな俳優、ジェット・リーの想いがひしひしと伝わってくる。

この物語の中で、父親がいう言葉が心に染みた。

「親孝行などしてくれなくていい。。。あの子は今のままで充分なんです」

私も、そう思う。


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「海洋天堂」

一人でも多くの人に、もっともっと多くの人に
観てもらいたい名作です。

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日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

いい映画に巡り会えてよかったネ。(^o^)v

投稿: レインボーおやじ | 2011年10月20日 (木) 06:36

>REIKOさんどもです。

私も同じく、嗚咽をハンカチで抑えていました。

それと、子どもと一緒に観なくてよかったと思いました。

観る人の今の環境で感じ方は違うとは思うけど、10年、20年先では福祉の環境はあまり変わらないのだろうなあということは思っています。

いくら素晴らしい方々が活躍して、頑張ってくれたとしても。

亀父がよくいいますが

「今以上の暮らしはない」と。

ならば、やはり、息子を支援したいとか思う、息子を取り巻く人たちの気持ちがとても大切だと思うのです。


年齢のせいだろうか?・・今までいろいろと活動してきた自分だけど、方法論じゃなく、人とのつながりも大事ということを思っているのです。つながりができていることで、やっぱり人って動こうと思うものだと思っています。


ブログ記事リンクしちゃっていいですか~。

投稿: はは亀 | 2011年10月20日 (木) 10:13

>レインボー親父さん

お久ですぅ(~o~) 

ハイ、良かったです。

投稿: REIKO | 2011年10月20日 (木) 12:07

>はは亀さん

どもnote

はは亀さんとは、けっこう同じ感性ですね。

まったくの同感です。
いろいろ活動して、原点に戻る・・。
そんな気がします。

ブログ記事リンク、もちろんヨロシクです。(^・^)

投稿: REIKO | 2011年10月20日 (木) 12:10

朝読んで、仕事場で、涙が出そうになり、あわてて、読むのをやめました。今、茶々子が泣いているので心配してそばにいてくれてます。自分もこの映画スクリーンで観たいです。また自主上映になるかもしれませんが、それも、俺らのできることだと思います。一人でも、子供を残して行かれる親御さんが笑顔で眠れるようにがんばりたいです。

投稿: 一本釣り。 | 2011年10月20日 (木) 21:22

>一本釣りさん

嬉しいです。
そして、心強いです。

静かで、優しくて、そして、切ない映画ですから、ぜひ観られると良いですね。

投稿: REIKO | 2011年10月21日 (金) 01:48

お久しぶりです。
ソレイユさんにツイートしておきながら、結局行けずじまいで最終日になってしまいました。長男の成長に安堵していた矢先の、次男の躓き。家族全体が崩れそうな毎日でした。

多くを語らずとも、伝わるものの大きさを耳にするだけで、観に行けなかったことを公開するばかりです。

投稿: ともmama | 2011年10月21日 (金) 21:22

>ともmamaさん

お久です。
時々、ブログお邪魔してます。
いろいろ、大変みたいですね。

長い人生、いろんな時期があります。でも、明けない夜はない!(^。^)
ファイト!です

投稿: REIKO | 2011年10月22日 (土) 14:15

いつも大切な事を教えて下さるREIKOさんに感謝しています。私も子供が周囲から『愛すべき存在』として受け入れられ今を生きている事が本人にとっての幸せだし、そんな彼を見られて今も自分は幸せに思います。
この先、将来の不安を抱え揺れ動きながら葛藤に苦しんでもそれでもまたきっと原点に戻ると思います。人と人が心がふれあい通じあった時に感じる幸福感を彼にも大切にして生きていってもらいたいなぁ。

投稿: サポ母 | 2011年10月23日 (日) 19:40

>サポ母さん

こんにちは(^。^)heart04

将来をちょこっと頭の端で考えながら、
それでも今日一日を楽しく、豊かに暮らそうと思っています。

ってねnote

投稿: REIKO | 2011年10月24日 (月) 21:17

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